パーキンソン病の80代の女性がいらっしゃいました。
娘さんが車椅子を押して来院されたのですが、想像していたよりかなり進行しているようで、
全身の筋固縮でご自身ではほとんど動くことができませんでした。
施術ベッドに移動していただいて、操体法で時間をかけて、のんびりと筋肉をゆるめていきました。
足の指、手の指と末端からやわらか〜く刺激を入れていくと、固かった手足の筋肉が少しづつ緩んできました。
肩から後頭部にかけてゆるめている頃には、もう気持ちよさそうに寝息を立てていらっしゃいました。
1時間ほど施術した後、目を覚まされ、私に何か話しかけてくれたのですが、聞き取れませんでした、すみません。
あ〜でも、ちょっと手の動きはいいな〜。
帰りしなに、大変喜んでおられると娘さんが教えてくださいました。
よし、それならOK。
パーキンソン病は中脳のドパミンが不足することによって起きる疾患です。
ドパミンは嬉しい、楽しい、美味しい、気持ちいい、などの好ましい刺激が脳に入ってくるときに
ドバドバ分泌されるそうです。
ドパミンの分泌量が1/5になっちゃうんだったら、5倍楽しんでもらえばいいかもしれないな〜
などと施術しながら呑気なことを考えていました。
気持ち良さを探して施術する操体法は改めて考えてみればうってつけですね。
操体法をご存知の方だったら、動けない人に操体できるの?と疑問に思われるでしょうが、
安心してください、できます。
できないというのは単なる思い込みでしかなく、私ができると思い込んじゃったからできるのです。
表情筋も固まってしまいほとんど表情はなかったのですが、
お見送りのときに、一瞬ニコッと微笑んでくれたように見えました。
それがなんとも言えず嬉しかったです。
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